防犯カメラという性質上基本的に寿命は1年と考え、入れ替えてください。
SDカードで録画するタイプの防犯カメラについて
コンパクトな設計の防犯カメラはレコーダーを必要とせず、スロットにSDカード、またはマイクロSDカードを挿すだけで録画ができるタイプのものも増えてきました。防犯カメラにも様々な種類があり、屋外や屋内、無人施設や有人施設、その利用シーンによって活用の場が限られてきます。
このページでは、防犯カメラのプロがSDカード録画タイプの防犯カメラの寿命や録画期間など、その特性について解説します。
防犯カメラによって認識するSDカードの容量が違う
まず、使用する防犯カメラの機種により認識してくれるSDカードの容量は違います。SDカード自体は、32GBから512GBまで種類がたくさんあります。
長く録画を残したいからと言ってもすべての防犯カメラが512GBを認識してくれるとは限りません。その機種毎の対応スペックを確認しなくてはいけません。
SDカードに録画するときの録画時間について
SDカードはHDDやSSDを使った録画システムと比べると容量が少なく、それに比例して録画時間も短くなります。ではどれぐらいの録画時間なのか?というのは機器によって違います。また記録する一秒あたりのコマ数によっても変わってきます。ここでは一般的なSDカードタイプに記録できるおおよその録画時間をご紹介します。
比較的画質の低いHD録画(100万画素 1280×720)の場合
圧縮方式によっても大きく変わりますが、画質を抑えたHD画質での録画時間は1GB≒1時間程度で考えるとわかりやすいかと思います。例えば128GBのマイクロSDカードを使うと、128時間、約5日ほど録画ができます。
一般的な画質のFULLHD録画(200万画素 1920×1080)の場合
こちらも圧縮方式によって録画時間は大きく変わりますが、大体HD画質の3分の1程度の録画時間になることが多いです。ですので同じ128GBのマイクロSDカードを使った場合、42時間、約2日ほど録画ができるということになります。
防犯カメラの耐久性
防犯カメラに必要な転送速度
SDカードの耐久性は「スピードクラス」で表されるデータ転送速度と大きく関係しています。スピードクラスはクラス2、4、6、10と4段階になっており、クラス10が最も速いとされています。
防犯カメラは常時映像を記録していく機器なので、SDカードは出来るだけ転送速度が速いクラス10を選ぶのがおすすめです。
「UHSスピードクラス」という新しい規格もありますが、防犯カメラの機種によっては対応していない場合もあり、相性を考慮する必要があるのでメーカーに問い合わせて問題がないかどうかを確認したほうがいいかもしれません。
SDカードの耐熱性(屋外利用時の注意)
屋外にSDカード録画式の防犯カメラを設置した場合に防犯カメラ自体の耐熱性、SDカード自体の耐熱性が寿命に関係します。例えば真夏の炎天下の中防犯カメラを設置するとカメラ自体の温度が60度、70度と上がっていきます。カメラ内にあるSDカードの温度はそれより更に上がります。
屋外に防犯カメラを設置する際はもちろん耐熱性の高い機種を選ぶ必要がありますが、すべての電子機器は温度が高ければ高いほうが劣化が早くなります。
モーション録画タイプのSDカードの寿命
常時録画を行う防犯カメラも、人が来た時だけ録画するタイプの防犯カメラもSDカードの寿命に大差ない場合が多いです。なぜなら、多くのモーション検知カメラは、人が来た時だけに撮影・録画を行うのではなく、常時数秒間を録画しながら人が来た時だけ検索できるようになっているからです。つまり、書き込み回数には変わりがないということです。
SDカード録画タイプの防犯カメラ寿命と録画時間 まとめ
SDカード録画タイプの防犯カメラは屋内の設置、屋外の設置に関わらず年一回の交換が必要です。屋内で使用する卓上型のカメラなら容易に交換できますが、屋外の場合は高いところに設置されていることが多いので、交換時にカメラの位置まで登らないと交換作業ができないことを想定して設置しなくてはなりません。
家庭用としてご利用される分には自己責任の下、1年を過ぎても壊れるまでSDカードを利用するといった手段でも構わないと思いますが、企業や自治体の場合は、多少費用が多くかかっても毎年点検交換の手間を省け、安心して利用できるHDD録画タイプをお勧めします。
ご注意
すべてのSDカード録画タイプの寿命や録画時間がこの記事に当てはまるとは限りません。あくまでも一般的なパターンで解説しております。細かな仕様やスペックに関してはそのメーカーにご質問ください。
SDカード録画タイプの防犯カメラ QandA
カメラや圧縮方式によって異なりますが、一般的な200万画素の映像を256GBのSDカードで常時録画しようと思うと、約3.5日ほどになります。
行っています。どうしてもSDカード録画タイプの防犯カメラしか付けられないような状況のときは、毎年点検交換も含めた保守サービスを提供しています。
この記事の執筆者
兼松 拓也
株式会社トリニティー 代表取締役
2006年3月、セキュリティの専門商社 株式会社トリニティーを設立。
以来、防犯カメラに特化した専門店として、全国数か所に営業拠点を構える。
防犯カメラの設置は1000ヶ所以上に携わり、現在ではAI・IoTシステムの開発に従事する傍ら、セキュリティコンサルタントとして顧問業務も行う。